うんこ

 とりあえず無事に4年生に進級して第一志望の研究室に無事配属できることが決定した。しかし現段階では嬉しいという感情よりはるかに不安の方が大きい。

 

 僕は根がクズでありながらも何だかんだで勉強をすることが好きで、それが何だかんだで生き甲斐として大きく寄与してきた。でも一辺倒に知識をつけるだけで生きていけるのはB3までである。 今の自分の「勉強が好き」で分かっているのは本の中で丁寧に散りばめられている専門分野の知識をただ吸収していく、知らないことを知ることに喜びを感じているということだ。 知らないこと・分からないことに直面したときに自分の手を動かして(そしてそれはほとんどが失敗に終わる)突き詰めていくことに何らかの喜びを感じていけるのかはまだ分からない、そもそも自分に突き詰めて何かを生み出せる能力があるのかも分からない。

 特に突き詰めていくことに喜びを覚えられなかったら、凡なる僕はアカデミアの世界に残ることは出来ないだろう。でも僕は漠然とでありながら一生涯サイエンスに関わっていきたいと思いながらここまで生きてきたわけで、それが言うなれば夢でもあるのだと思う。前に不安と述べたのは、この夢が研究をしていく過程で打ち砕かれるのではないかというところから来るものが大きい。

 自分が転がっている知識を身に付けているだけで何も生み出せない人間と分かったら以前までは嫌悪していた平坦な波風の立たない人生を歩むことになるのだろうか。でもそういうのも悪くないのではと思っている自分も最近いるのである。